スピードアップ(2)

今日、予定されていた高松でのオープン戦は、朝から降り続いた雨の為、中止になりました。
早めの昼食を摂った後、バスで高松を出発。瀬戸大橋を渡って、倉敷のマスカットスタジアムで練習を行いました。止み間なく降り続いた雨のため、練習場所の確保に苦労しましたが、やるべきことはできたと思います。
さて、昨日の「スピードアップ」の話について、「なぜ、いつも規制されるのは、投手ばかりなのか。スピードアップには、打者の協力も必要。」との意見が、寄せられました。私も同感です。投手は、二段モーションの禁止、世界一厳しいセットポジションの際の静止に関するルール(新外国人投手が、来日当初、ボークを連発するのは、ある意味当然)など、既にいろいろな制約を受けている感があります。それだけに、投手陣のあいだに、「またか。」という空気が広がったのは事実です。
しかし、今回はよく話を聞いてみると、野手のほうにも、「むやみに打席を外すことを禁止する。」などの通達が下りていて、審判の方々も、打者に対してそれなりに厳しい姿勢で対応しているようです。
試合時間短縮が叫ばれるようになって久しいですが、今回は、現場が一体となって取り組んでいこうとする意気込みを感じます。
調べてみると、80年代に入ると、3時間ゲームが増え始めて、セリーグでは、88年以降は、平均試合時間が3時間を切ることはなくなりました。
中には、別に試合が長くても構わないと考える人もいるでしょう。私も、全日空に勤務していた頃は、何度か神宮や横浜などでプロ野球観戦をしましたが、「せっかくだから大好きな野球を長く楽しみたい。」と感じていて、延長戦になったりすれば、むしろ「ラッキー!」と思っていました。ただ、野球を観戦しているのは、帰り時間の気にならない人間ばかりではありません。
スピードアップを求める理由はいろいろあるとは思いますが、私にとっては、「ナイター観戦に来た、子供たちも、試合の結末を見届けてほしい。」という一点だけです。付け加えるなら、「民放の地上波で観戦されている方々にも、結末を見てほしい。」という思いもあります。ある意味いちばん大切な、ゲームセットの瞬間に、多くの人に立ち会ってほしい。そして、ゲームを振り返って「楽しかった!」と思ってもらえたら、嬉しいのです。
もちろん、試合時間が短かければいいというものではありません。テンポアップした中にも、内容のギュッと詰まったゲームをする。これが、今のプロ野球選手に求められていると思います。
勝つことが、いちばんのファンサービス。そう考える人は多いと思います。もちろん、私たちにとって勝つ為の努力、技術向上の為の努力がいちばん必要なのは、間違いありません。ただ、趣味の多様化してきた近年、野球は絶対的なものではなく、数あるスポーツの一つとなりました。野球界の未来の為にも、ファンの方々が何を求めているのかを、把握しておく必要が、私たち選手にもあるのではないかと考えるようになりました。
渋滞にはまり、少々時間がかかりましたが、バスは岡山駅前の宿舎に到着しました。部屋に着いて、カーテンを開けると、悠然と「N700系のぞみ」が、岡山駅にすべり込んできました。鉄道好きには、先日の福山の宿舎以上の絶景です。天気も悪いので、外には出ず、この部屋でゆっくり過ごして、明日以降に備えたいと思います。

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コメント(10)

広池さん、こんにちは。
私も試合時間は長くても好きな野球ですから「楽しい!」と思っていましたが、そういう時代でもないみたいですね。環境面(省エネ)で考えるとある程度のスピードアップは野球界全体で取り組んでいかないといけませんね。ただこのルールの影響で「つまんない」野球にならないことを願っています。
もうすぐ開幕ですね。週末の横浜遠征は帯同されますか?もちろん応援に行きます!開幕1軍を願っています。

ちょっちゃん : 2008年3月20日 19:05

最近このブログを知ってから、のぞくようになりました。
広池選手のわかりやすい、知的な選手側からのご意見がとても
参考になります。
去年から野球が大好きになったばかりで、知識が足りない私には
とても助かるし、面白いです。
ありがとうございます!
これからも楽しみにしています。

打者にも通達があったんですね。
何年か前にストライクゾーンを広くする、というのがあって、いつの間にか形骸化してましたが、今回もそんな感じになるような気がしなくもないです。
まあ、あまり神経質になりすぎない方がいいんですかね?

にゃんこ先生 : 2008年3月20日 09:46

大変勉強になるお話、ありがとうございました。日頃野球を見ながら選手の方々はどう考えているのかな…と思うことも結構あるので、ここで伺う話は、ほんとになるほど…と思うことばかりです。

確かに遠方から来る身としては、試合が長引くのは最後まで見られず残念な思いをすることもあって、できたら3時間くらいでおさまってくれれば…と思うことも多いです。
去年前田さんの2000本安打の時は、最後まで見たくて飛行機に乗り損ねてしまい、新幹線とレンタカーを乗り継いでなんとか夜中にたどりついた…てなこともありました(汗)

でも、適度な間は野球の魅力のひとつだと思うし、わくわくするような引き締まった試合で長くなるのは苦にはなりませんけどね。

広池さんの文章は何時も丁寧でわかりやすいので、
野球の色々な面白さを新しく知り、または改めて確認しながら
楽しく読ませていただいてます。

以前、野球をやっていた頃は打つことが好きだったのですが
小・中・高の野球では投手が一球一球投げる間が早く、
自分の間の作り方、バッターボックス内での足場をならし、構えて形を作り、緊張感の高める、そういったルーティンを行うのに苦労した覚えがあります。
近年の甲子園では広陵や広商(昔ながらの凄く練習量多く、熱血的な野球)なんかが顕著に早い気もするので、広島ならではかもしれませんが。

ともかく、ペースが速くなると、やっぱり自分の間を作るのが難しくなるんじゃないかなぁ、と思っています。
そして、つい焦ってしまって、ルーティンも形だけ(形から入るわけですが、座禅などのように精神的なものと比例させなければならないですよね。)になり、集中力や注意力、思考が中途半端なまま野球をしてしまって、結果、失敗することが多くなる。
私がそうだったので、そのような影響も考えてしまいます。

皆さん変化と適応を求められてるわけですが、前日の日記にもありましたが、やっぱり中継ぎとなると特に難しいですよね。
ファンは野球の話が好きなので、面白いと感じてしまいますが(笑
なので、選手の皆さんのこういった努力もきっちり見ていこうと思います。

広池さんのお話は、『あぁそういった考えもあるのか』といつも勉強になります!
時間短縮されることでも色々な見方が出てきますね!
今回の規制でどんな風が巻き起こるかまだ分かりませんが、この規制に関わらずもっと野球に関して、色んな面から見ていこうと思いました!
明日の阪神戦、頑張って下さい!

広池さんの話は、いつも勉強になります。今日のも、すごく考えさせられました。
私は、延長戦は決着が付くまで戦ってほしいです。
メジャーの、日付をまたいだ試合とか、すごく憧れます。
帰る時間は、自己責任で、各々が決めればいい。
帰りの交通、翌日の仕事、それぞれの事情があります。
子供にも、きちんとそういう話をして、最後まで見たくても無理な事は我慢させる、そういう教育も必要なのではないでしょうか?
過保護にしなくても、球場で生で最高のプレーを一つでも見れたら、大人になっても絶対に野球ファンになります。私もそうでしたから。
だから、地上波のみのファンや子供に合わせて急ぐあまり、試合内容が薄くなってしまうのは絶対に嫌です。
大人には、「テレビで試合終了まで見たかったら、スカパー契約しろ」と言いたいです。


hiro : 2008年3月19日 23:51

野球界も、顧客サービスという視点で色々に試みてるんですね。
すごく勉強になります。

自分は大学時代、延長突入を「同じ料金で長く観戦できるなんてラッキー!」と喜んでいました。
さらにさかのぼって子供時代は、野球が長く観られること以外に、大人の時間に突入することに大興奮していました。子供があんな遅くまで市街地にいられるのは野球での延長くらいなものでしたからw旅先で雷や雪で立ち往生したときの興奮に似ていたというか。
しかし、社会人になり明日のことが気になる時、また特に野球好きではない友人を誘って行く時などは、確かに短時間で濃縮された試合の方がありがたいかも知れません。短めな方が余計な心配(帰り時間や同伴者の集中力)をせずに試合に集中できるというか。観戦する側の我がままですが。
でも一人or野球ファン同士での観戦で明日が休みなら、今だに延長突入はワクワクしますw

まっつん : 2008年3月19日 23:06

今日も一日、お疲れ様でした…m(_ _)m
久しぶりにスカパー放送があるので楽しみにしていたのですが、
雨天中止…。
雨には勝てませんね…残念です(T_T)
広池さんの今日のブログを読んで、私の考えが少し変わりました。
私みたいに時間に制限なく観戦している人間にとっては、
気にならない試合時間も、お子様連れの方や、その日に絶対
帰らなければ行けない方にとっては、一分一秒の世界ですからね…。
以前、甲子園は『甲子園名物・延長』と言われていた程、延長が
多く、何度帰れなくなって、友人の家に急に泊めてもらった事か…。
それも『最後まで見たい!』と言う気持ちが抑えきれずの行動
だったし、やっぱり、ゲームセットまで見たいですからね…。
私のようなファンばかりでは無いでしょうし、お子さんがいたら
そういうわけにもいかないでしょうし…。
時間短縮も必要なのかも…と少し思いました。
ただ、試用期間にしても、もっと早くに通達することはできなかった
のかな~とは思いました。
ファンあっての…とは言いますが、私には選手あっての野球なので、
負担になるような事は出来るだけ少なく、選手がのびのびと野球が
出来る環境を作って欲しいと思っています。
楽しそうに野球をしている姿は最高ですから…。
今日も長くなりましたが、私は広池さんは勿論のこと、CARPの
選手の皆さんが、『本当に野球やっていて、楽しい!』って姿を
見せてくれることが何より嬉しいです。
勝負の世界なので、いろいろあるかと思いますが、楽しんで野球を
やってくださいね…。
素人が生意気な口たたいて、申し訳ございませんでした…。

私が,試合途中で「早く!」と思うのは,延長の時です。
選手の皆さんの疲れが気になるのです。
それ以外は案外気になりません。
新幹線に遅れそうになって,途中で出て駅に走ったときもありましたが,それはそれで仕方ないかなと。
携帯でその後の試合展開をチェックするのも楽しみの一つです。
サッカーとかと違って,野球には「間(ま)がある」のも魅力の一つのような気がします。

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