サインと捕手について

ここ最近、自らの現状について、皆様にお伝えできることがないのが残念です。現在もボールを投げていません。
このような状況なので、今日も頂いた質問にお答えします。
(Q)監督、コーチ、選手は、複雑で数が多く、しかも、毎回変わると言われる試合中のサインをどのように覚えるのか?
(A)確かに、プロのサインは複雑で覚えるのが大変です。
しかし、同じチームと年間何試合も行うので、簡単に相手に見抜かれるようなものではいけないのは当然です。
サインは、攻撃時のサイン、バントシフトなどに関する守備のサイン、そして、バッテリー間で用いる球種のサインに分かれます。
監督やコーチがどのように覚えているのかは、分かりませんが、選手は、サインが説明されるミーティングが開かれた時に、ノートを持って行ってしっかりと書き留めています。そして、そのノートを見ながら一生懸命暗記します。
いちばん複雑なのは攻撃のサイン。これを完璧にマスターするのは意外と大変です。なので、滅多に打席に入る機会のないリリーフ投手の中には、
「(バントやスクイズなど)投手が打席に立った時によく出そうなサインだけ覚えればいいや。」
なんて危険なことを言っている人も稀にいました。
プロの世界ではサインミスは許されません。チームプレーである野球においては、現場のトップである監督の示した意思をサインを通して全員が共有して戦わねばなりません。従って、ミスをすれば、罰金や途中交代といった制裁が待ち受けていることもあります。それだけに、選手は常にサインの確認は怠りません。
また、1軍と2軍のサインも違うので、昇格や降格時にまず最初にコーチに言われるのが、
「サイン確認しておけよ!」
です。そういった時は、他の選手に教えてもらって、試合開始までの限られた時間の中で頭に詰め込めます。
サインの話しをする上で触れておかねばならないのが捕手についてでしょう。
捕手は、サインと名のつくもの全てに関わってきます。特に、バッテリー間で用いる球種のサインは、投手によって違うので、全ての投手のサインを頭に入れておく必要があります。
その上で、相手の特徴など様々なことを頭に入れて試合に臨む捕手というポジションは本当に大変です。
話しは、サインからそれますが、捕手は試合だけでなく普段の練習から重労働です。
打撃練習、守備練習の通常メニューに加え、非常に難度の高いポジションであることから、守備力の維持、向上の為に、ワンバウンド捕球やフットワーク、送球練習などの「特守」も欠かせませんし、その上で投手の状態を確かめ、コミュニケーションをとる為に、ブルペンへ足を運び、投手のピッチング練習の球を受け続けます。とにかく捕手はやらなければならないことが多過ぎます。
試合前には、相手投手を研究する野手陣ミーティングのみならず、相手打者を研究する投手陣ミーティングにも参加するので、息をつく暇もありません。
その上で試合にフル出場したら・・。よく見て下さい。捕手は、あの重たい防具を着けて1試合で何度立ったり座ったりしていますか?何度投手の球を受けて返球していますか?何度自らが出す球種とコースのサインに頭を悩ませていますか?その上、打たれたら捕手のせい!?厳しいポジションですよね。投手の立場から言わせれば、打たれるのはほとんど投手が悪いのです。それなのに、負けた時に扇の要として敗因に挙げられることもあります。それなら勝った時に真っ先にスポットライトを浴びるのかと思えばそうでもなく、好投した投手やいいところで打った打者が讃えられる傾向があります。
重労働ですね・・。いろいろな意味で。しかも、年間144試合ですよ。
ここまで読んで下さった方々、気持ちは分かりますが今後は、
「あのリードが悪かった!」
とか言って簡単に敗因を捕手に押し付けて話しを終わらせるのはやめましょう。もし、本当に失敗があったのなら、本人がいちばん分かっていますし、担当コーチからも厳しく指摘されているはずです。彼等は、想像以上に多くのものを背負っています。それでも、
「いや、やっぱり、扇の要、グランド上の監督として敗戦の責任を負うのは当然。」
と言うのなら、勝った時にもっと讃えてあげて下さい。
後半は、質問の内容から離れて、捕手に対して私が今思っていることを述べてしまいました。
別に倉や石原に頼まれた訳ではありませんが、最近、怪我をしたことによって、じっくりと冷静に野球を観る機会が増え、改めて捕手の大変さを感じるようになりました。
今までは、相手打者の状態やライバルの結果ばかりを気にして野球を観ていましたが、少し視点が変わってきたような気がします。
今は、野球を観るのも練習です。そして、そこで感じたことを復帰後のプレーに生かしていきたいと思います。

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コメント(19)

西宮のカープファン : 2009年4月26日 00:08

広池さん
結構しっかりしてますね
ブログ見てそう思いました
けが早く直して下さい

捕手の件、内容は理解できます
しかし、阪神戦の石原のリードは全く理解できません
正直相手に打たせてますよね
どうして内閣の厳しいコース責めないんですか?
金本が連続記録更新しているからけがさせちゃまずいから?
必ず外角ですよ。踏み込んで打たれるに決まってますよね
まったくいつも同じことの繰り返し。
投手のコントロールではなく捕手のリードに大問題ですよ。
正直八百長ではないかと思います。

どうして内角攻め無いんですか?
悔しくて涙が出ます

これはすごいです!
プロでは当たり前でも我々には知ることの出来ない部分ですね。
受け手と送り手双方の情報の差が大きいほどいい情報と言えますから
広池さんブログほど価値の高い情報源はなかなか無いですよ。

これに対し、我々は「ファン目線でしか言えないこと」を
広池さんに提供するのが有意義なんでしょうけど
なかなか難しいものがありますが…
「カープの勝ち負けでメシの味が変わる」とか
「カープの勝ち負けで消費性向が変わる」とか…
どうもイマイチですね(笑)

小早川鷹景 : 2009年4月18日 15:42

広池さんのブログは読みごたえがあります。
とても勉強になります。

私も今まで、投手が良い投手だった場合は、負けた時、打たれた時はキャッチャーのリードに文句を言い、でも勝った時は特に気にしていなかった1人です。
今回広池さんのブログを読み今度から見方が変わると思います。

キャッチャーの話。
とても勉強になりました。

広池さんのいち早い復帰を心から願っています。

 
すごい!!
本当に勉強になります。
貴重なお話をありがとうございます。
去年までは、野球見ながら応援するだけで、
ある程度のルールしか知らなかったんですが、
もっと詳しくなりたいです。
広池さんのプレーを新球場で見れる日を
心から楽しみにしてます!!
 

不死身のエレキマン : 2009年4月17日 22:03

サインと捕手の話とても興味深く読ませていただきました。
そういった見えない努力が素晴らしいプレーを生み出して
いるんですね!
今日また広池さんに野球の見方を広げてもらいました!
ありがとうございます!

なっさン : 2009年4月17日 17:55

今までサインの仕組みを不思議に思っていたので、凄く勉強になりました!
キャッチャーが大変なポジションだということは、今までも思っていたけど、この記事を読んで改めて、大変なんだなあ…って気づかされました!
これからはキャッチャーの見方が少し変わると思います。凄い勉強になりました!ありがとうございました★

おおとんび! : 2009年4月17日 17:54

こんにちは!
プロの選手の皆さんは、うまくできて当たり前とも見られがちですが、やはり、維持、向上をめざしていくには、生半可なものではないかと思います。
これまでもお伝えしましたが、私は、試合があってもなくても、グラウンドに出かけるのが好きです。
試合での華やかさとは違い、時に、そこには、いろんな工夫をなされながら、悩まれている姿を見かけることもあります。
いろんな形ではありますが、素人目に見ましても、皆さんそれぞれに努力されているのが見て取れます。
そのいくつかは、広池さんのコメントに登場することもありますが、一部を聞きますだけでも、「当たり前」の陰には、とてつもない時間が流れているように感じます。
それでも、「当たり前」のように振る舞う選手の皆さんには、今まで以上に、やられてきたことが、出来る限り多く形をなしますことを願いつつ声援を送りたいと思います。

文章を読みますと、既に、精神的な部分でも前向きに進み始めているように思え、少し安心いたしました。
ここのところの暖かさが、回復の後押しとなりますこと、祈っております。
では。

いつも楽しみに拝見させていただいてます。
今回の記事を読むと、改めて捕手の大変さがわかりますね。
恥ずかしながら、ご指摘の通りあのリードが・・・と思うことが多々あります。
※もちろん、今の配球は面白い!と思うこともありますが。

今の石原さんなんて、それに加えてクリーンアップを任されているというのに、打たれた責任を負わせるのは酷ですよね。

ここのところ、永川さんを始め、磐石と思われていたリリーフ陣に若干不安が出ています。
経験豊富なベテラン左腕、広池さんの復帰&一軍での登板を楽しみに待っています。
くれぐれも焦って故障が長引かないよう、身体を大切にしてください。

由宇いきたい : 2009年4月17日 08:17

記事、とても興味深く見させてただきました。
球場では、ピッチャーの球はもちろん、キャッチのリードも
興味深く観察しています。ズバっと裏をかいての見逃し三振を
とった時や、すばらしい組み立てで打ち取った時等、思わず
ナイスリード!!と言ってしまいますね!!

昔の田村捕手(現スカウト)と小林幹英投手のバッテリーはかなり
息があっていたような気がします。田村捕手のリード好きでした。

広池さんをズムスタで見れる日を待っています!!!

はじめまして、初めてブログ拝見しました。

いきなり、身につまされてしまいました。
チームでは相手を思いやる気持ちって大切ですよね。
野球に限らず仕事、交友関係などなど全てに通ずることですね。
勝ち負け、仕事の結果はもちろん大切です。
でも次につながるチームの信頼関係って大切ですよね。
広池さんのおかげで最近忘れていたことを思い出したようです。

チームメイト、パートナー、友人はもちろんライバルや見ず知らずの他人も含めて知らず知らずに人は人に生かされているんですよね。

このご時世、元気の無い地元広島ですが、カープ&新球場で広島は俄かに活気づいています。
球場に行った日、球場に向かうファンの長蛇の列を見て広島の元気を感じて嬉しかったです。
試合ではカープ、ファンの皆さんに元気もらいました。

そして、ブログを拝見して、新球場で広池さんの元気な姿、チームプレイを無性に見たくなりました。
ご自身のこと大変だと思いますが、同志たちをこんなに暖かく見守れる広池さんはカープにとって本当に貴重だと思います。
広池さんなら野球に限らずチームのためにやれることっていっぱいあると思います。
このブログもそうだと思います。

応援してます。
あせらずがんばってください。
待ってます。

新宿カープおやじ&母 : 2009年4月17日 01:39

広池さん、お疲れ様です。

広池さんのもどかしさが伝わって来ます。
でも、焦らずに、じっくりと治して行きましょう。

早速、質問に答えて頂いて母と感激しています。
ありがとうございました。

サイン、そして捕手のお話、大変ためになりました。
練習だけでも大変なのに、サインを全て暗記する事は
やはりとても大変な事だとよく分かりました。実は質問を書かせて頂いた時は、
意外とプロならではの覚えるコツがあって意外と簡単なんですよ…
なんて事も想像していたのですが、やはりノートに書いて一生懸命、
ただひたすら暗記なんですね。日々のたゆまぬ努力、本当に頭が下がります。

監督さんやコーチの方々は鏡で練習されているかもしれませんね。

1軍と2軍でサインが違う、これは新鮮な驚きでした。
てっきり共通なものとばかり思っていました。秘密保持の事もあるのでしょうね。
投手によってサインが違うのも一瞬驚きましたが、これはよく考えると、
皆それぞれに球種が違うのだから当然ですよね。永川さんの様にフォークだけでも
沢山の種類を持っている方もいるし。納得です。

捕手はこれらのサイン全てを理解、暗記して
それらを瞬時に使いこなして行くのですから凄いとしか言い様がありません。

いつも捕手と言うポジションはとても興味深いです。
今日のお話で、改めてそのありがたさ、重労働なポジションだと再認識、痛感しました。
球場で、思わず『○○さん、ナイス配球!!!』なんて思わず叫んでしまう時もあります。

石原さんがWBCに行かれて、その活躍をあまり報道されたり、
巷で話される事がないのはとても寂しいです。
石原さんがあの期間中、毎日ブルペンでどれだけあの投手陣を支えたか…
僕らは陰のヒーローだと思っています。
捕手はどうしても責められる事はあっても、讃えられる事は少ない。
あれだけ重労働で日々努力しているのに…
メジャーに比べて、日本の『野球』が緻密で面白いのは、捕手のおかげ。
いつもそう思います。でも、今日言われて反省です。
僕らもついつい、配球の事を言ってしまう傾向があります。
今後は改め、そうは考えず、もっと視野を広めて考えたいと思います。

球場で思わず言ったり叫んだりする、
『ナイスヒット、ナイスホームラン、ナイスピッチング、ナイスプレー』…
いろんなナイスがありますが、『ナイス配球!!』あってもいいですよね。

今日は本当にありがとうございました。これからの見方と認識が変わる、いいお話でした。

今日からカープは関東遠征です。雨が心配ですが、
(チーム的には休めた方がいいのかもしれません)
神宮〜ハマスタ、全て母と行って、出せる限りの声を出して、熱く応援して来ます。

今日も頑張って行きましょう!!!

がんばれ!僕らの28便!!!

漠然と感じていたのですが、改めて捕手の厳しさを痛感しました。
一方で、やりがいのある誇りあるポジションに思えてきました。
捕手に注目するのは、野球を一層楽しむコツでもありそうですね。

ryo@埼玉 : 2009年4月17日 00:47

とても為になる話をありがとうございました。
長年野球を見ていて捕手の大変さは理解しているつもりでいましたが、プロの投手の立場から色々と(それも広池さんらしい読み手を引きつける文章で!)説明して頂き、新しい発見もありました。
おかげさまで明日から、より深くプロ野球を味わうことができそうです。

ところで、「今は野球を観るのも練習」「そこで感じたことを復帰後のプレーに生かす」と書かれていますが、僕もまさにその通りだと思います。
野手としてドラフトにかからず、一度は野球を諦めて就職した広池さん。
羽田空港で働きながら、プロで活躍する大学時代のライバルたちの姿を見たときに抱いた「野球がしたい。」という思い・・・
その思いから、広池さんのプロ野球人生はスタートしたんですよね?
そのときその思いを抱いていなければ、プロ野球選手・広池浩司の今はないはずです。

ひるがえって今、広池さんは野球ができなくて悔しい思いをしていると思います。
あるいは冷静に仲間たちの野球を観ながら、「今度投げるときはこういうところを意識しよう」と、いつも以上に強く感じていることと思います。
その感情を、ぜひ復帰後のプレーに生かしてほしいです。

プロ野球を見ていると、長らく不振にあえいでいた打者が一本のヒットで一気に調子を取り戻したり、好投していた投手が一つの死球から突然崩れたり、そんな精神的なものの影響の大きさを実感することがあります。
プロなのに、いや技術的にみな一定以上のレベルにあるプロだからこそ、そうした精神面が大きく影響するのかもしれないですね。

広池さんは、厳しいプロ野球の世界で10年間生き抜いてきました。
そのことは、広池さんがプロとして十分生きていけるだけの技術を備えていることを証明していると思います。
だからこそ、今回の故障を機に、広池さんがより精神的に強くなって帰ってくることを心から願っています。

また新たな伝説的ストーリーを作りましょう!!

他球団ファン : 2009年4月17日 00:39

他球団ファンです。が、セでは広島好きです!
今日サヨナラ満塁ホームラン喰らった、某捕手某投手のリードについて考えていて
ココに辿り着きました(笑)。
非常に興味深く読ませていただきました。

コアなプロ野球ファンが噂していると言う広池さんのブログ。
なるほど納得です。いっきに過去ログも読んでしまいました(笑)。
さっそくRSSリーダに登録させていただきました。

早くケガを治し、活躍され、日本シリーズで対決できるよう願っています。

いや〜まじおもしろいっす。

さすが広池さん。
やっぱり、広池さんのブログは、広池さんにしか書けませんね。
今後もたくさん観察して、次回の復帰登板に生かしてください!

のらねこ : 2009年4月16日 22:25

いつも興味深いお話をありがとうございます。
今回のサインの話や捕手の話も
普段ではなかなか知る機会がないので嬉しいです。
私たちが思う以上に捕手は大変なポジションなのですね。
本当に縁の下の力持ちという感じです。
そして…こうやっていつもきちんと私たちに伝えてくれる広池さんも大好きです♪
これからも楽しみにしています!

サインと捕手のお話、とてもおもしろく読ませていただきました。
私もしばしば息子のキャッチボール(?ピッチング?)の相手をするのですが、まず座るという行動が制限された状態で目の前に飛んでくるボースを捕るのも怖い、立ったり座ったりしていると20分くらいで「ちょっと、休憩」と言いたくなります。
捕手というポジションは、肉体的にしんどいだろうなーとは想像していましたが、脳みそも試合中休むことなく働かせないといけないのですね。当然といえば当然のことですが、今日の広池さんのお話で再認識いたしました。ありがとうございました。

今まで私が捕手について思ってた事すべてを書いて頂きありがとうございます。
今後もキャッチャーへの尊敬の念を忘れずに、試合を観戦します!
中途半端に治療せんと、今シーズンまだまだあるんで完璧に治してズムスタで暴れて下さい!
心待ちにしてます。

焦らずに、じっくり治してください

この時間が

のちに貴重な時間だったと

振り返れるようになると良いですね

サインと捕手の話

とても興味深かったです

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