殻を破る

この2日間は、前進がありませんでした。強度を上げようと思いましたが、肘の状態がそれを許してくれませんでした。
「またか!」といった感じです。非常に悔しく思っている私とは対照的に、トレーナーやコーチは冷静です。ここのところいい感じで前進してきたので、そろそろまた平行線の時期があるのは当然のことと捉えているようです。
悔しいですが我慢して、やるべきことをやり、次のステップアップの時期を待ちたいと思います。
それでは、質問コーナーです。
(Q)プロ野球の世界では、「壁を越える」とか、「自分の殻を破る」といった表現で、ひとつ上のレベルの選手になることを表現することがありますが、どんなことがきっかけで選手は、壁を越えたり殻を破ったりするものなのですか?
(A)他人からの助言、環境の変化、チーム内での立場の変化、危機感、開き直り、その他様々な要因によって自身の考え方が変わり、それによって野球への取り組み方が変わり、その結果、試合で結果が出て、周囲の評価が変わった時に、「壁を越えた」とか「自分の殻を破った」などと表現されることがあります。
中学生の時以来、投手経験がないまま、ドミニカ共和国での野球留学を経てプロ入りした私の場合、今思えば入団当初は、速い球を投げるだけで投手として素人同然でした。何せ、投げられる変化球はスライダーのみ。プロの投手なら、自分の左にゴロが飛んだら無意識に走るベースカバーも、ちょっと打者に集中すると忘れてしまうような状況でした。
そういった意味で私の場合、ややレベルは低いですが、「素人同然のレベル」から「プロ並み」への間の壁を打ち破った経験はあります。
入団3年目。1軍でもファームでもショートリリーフ専門だった私が、突然、ファームで先発ローテーションを任されるようになりました。
それは苦しかったです。球種が少なく、力任せに投げ込むだけの投手にファームとはいえ長いイニングは務まりません。
打ち込まれる日々が続きました。
「迷惑を掛けっぱなしだ。守っている野手に申し訳ない・・。」
先発すること自体に気が進まないこともありました。こんな気持ちでマウンドに立っていては、結果が出るはずがありません。ローテーションから外されるのも時間の問題かと思われましたが、その後も私は先発のマウンドに立ち続けました。
「これは、もう逃げられない。何とかしなければ・・。」
結果に関わらず先発の機会を与えられたことで、マウンド上での気持ちが変わってきました。
こうして、私は、試合の中で、長いイニングを投げる為に、力配分や打者のタイミングを外す変化球を覚えていきました。チェンジアップやシュートを習得したのはこの時期です。
その後も3年ほど、ファームにいる時は先発ローテーションを任されることになり、ファームの投手タイトルを全て獲得しました。
以前はファームでも未勝利だった私が、幸運にもローテーション投手としての立場を与え続けられたおかげで成長しました。少なくても「素人同然」ではなくなり、一軍でも勝負することができる「プロ野球選手」になりました。これが、私が、自分なりのレベルではありますが、ひとつの「殻を破った」時だったように思います。
未熟な私に、チャンスを与え続けてくれた当時の首脳陣に感謝です。
そして、未だ越えることができない、より高い壁を越える努力をこれからも続けます。案外、今回の肘の手術によって経験した、みんなと一緒に野球ができない苦しい日々が、そのきっかけになるのではと思っています。

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コメント(5)

ねえさん : 2009年7月20日 01:09

こんばんわ~。
順調に進んできたので、今回の平行線は次のステップ用の準備期間だと思うので焦らないでくださいね。
次の更新時には広池さんの喜びの文面が拝見できることを楽しみにしています。
暑い日が続いてますが練習頑張ってください。

おおとんび! : 2009年7月19日 08:34

おはようございます!
私も、あまり、心配しておりません(笑)。
と言いますとお叱りをいただきそうですが、後半の文章にもありますように、この時期を過ごす時間が、経験した者だけに与えてくれるものも少なくはなく、他の時間からは得がたいものが大半かと思います。
ご自身の「またか」のお言葉の中にも、焦りはないかと思います。
今時点で、多くの経験をなされているトレーナーさんも、「平行線」の少ない道への選択肢を選べたとしても、それを望んではいないのかもしれません。
以前、娘が、広池さんからいただいた「努力」文字は、今でも光り輝き、その力を与えてくれています。
今を過ごす時間が、味方についていただけますよう、祈っております。
では。

初めまして~♪
お仕事頑張って 下さいネ(-^□^-)

新宿カープおやじ&母 : 2009年7月18日 23:17

広池さん、お疲れ様です。

悔しく、もどかしいとは思いますが、ここは焦らず、じっくり行きましょう。
ホント、ここまで順調に来ていましたからね。
早く次のステップに進める様、願っています。

「自分の殻を破る」
僕もここまでの人生、ずっと突っ走って来たから、知らず知らずの間に、
その様な時期があったんだろうなと思いました。
今一度、改めて思い起こしてみようと思います。

今の広池さんのこの試練、これを克服して乗り越えた時、
必ずや、さらなる次元の壁を越え、またひとつ殻を破って強く逞しい投手になれるはずです。

明日も頑張って行きましょう!!!

がんばれ!僕らの28便!!!

げんちゃん : 2009年7月18日 19:02

リハビリの状況、進んでは止まりの繰り返しなのですね!
これまでの経過をこちらのブログで拝見する限り、『プロの世界では慎重に石橋を叩きながらプログラムを進めているんだ』と我々素人のファンにとしては意外な印象を持ちつつ、マツダスタジアムでの広池さんの雄姿を楽しみに待ちたいと思っています。
また広池さんのケースでは、ファームで殻を破る機会を与えられ、そして殻を破ったと判断されたからその後の1軍での活躍に繋がったのですね!
これで広池さんが肘の故障から復活した時の姿がより楽しみになりました!!

ここでまた質問ですが、最近、中学生向けにKボールという軟式球に近い特性を持ちながら重さは硬式球と同じ重さのボールを用いた中学野球が一部の地域で活発化されていると聞いています。

詳しいことはKボールのオフィシャルホームページにも載っているのでここでは書きませんが、
いずれ高校で硬式野球をする場合、やはり硬式球と同じ重さのボールで野球に親しんでいたほうが、その後の野球活動において、硬式球への対応という点で好ましいことと思われるでしょうか?

中学時代、硬式と軟式の両方を掛け持ちして野球をされていた広池さんだからこそ、ご意見を伺えたらと思い、ここに記させていただきました。

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