今日は、久しぶりに肘のことから気持ちを切り離して、頂いていた質問に答えていきたいと思います。
(Q)オフにレーシック手術をした目の調子は?
(A)非常に順調です。先日、トレーナー室で検査をしたら視力は両目ともに2、0でした。
コンタクトレンズの煩わしさからも解放されて、手術をして本当によかったです。
(Q)マウンド上の踏み出し足の着地点は、試合後半になると掘れていることがあるが、それによって誤差は生じないのか?
(A)誤差は生じます。できれば掘れていないキレイなマウンドで投げたいですが、中継ぎ、抑えの投手はそうもいきません。
試合後半にマウンドに登ったら、まずはしっかりと自分の着地点を平らにならす必要があります。
先に投げた投手の足跡が、自分の着地点と離れていれば、足場作りは簡単に終わるのですが、そうでない場合は困ります。しっかりと時間をかけて足場作りをしないと、投球のバランスを崩すだけでなく、捻挫などの怪我をする可能性すらあります。
特に旧市民球場は、土の質などの関係で他球場に比べて非常に掘れやすく、試合後半には着地点に足首が完全に隠れるくらいの穴があいていることが多かったです。
それだけ深い穴があいていると、当然、それまで投げていたブルペンとマウンドの傾斜が変わってくるので、実際に打者に投げる前に与えられる投球練習の5球で感覚をつかまなければなりません。そういった意味で、市民球場での投球練習の5球は非常に重要な意味がありました。
ブルペンから出てきた投手が、マウンド上で必死に足場を作っている姿を見かけると思いますが、戦いは既にここから始まっているのです。
試合のスピードアップが叫ばれる中、非常に限られた時間内でいかに投球に集中できるいい足場を作り上げることができるか。結果を左右する重要な作業なのです。
私は以前、市民球場で試合後半、大差で負けている展開でマウンドに上がった時、球場全体の「早く投げろよ〜」といった雰囲気(勝手な思い込み!?)に押されて、スコップが欲しいくらい荒れたマウンドの足場作りを怠って失敗したことがありました。どんな展開でも、自分にとっては大事な登板です。もっと大切にすればよかったと後悔しました。
しかし、観ている人からすれば、出てくる投手がみんな足場作りに時間をかけていたら、間延びするし退屈なのは事実でしょう。
ただ、昨年、12球団の本拠地でいちばん掘れやすく、足場作りが難しかった市民球場が役目を終えました。マツダスタジアムのマウンドは、他球場と同様、固く作られていることと思います。従って今後は、ブルペンから出てきた投手の足場作りの時間は短縮されていくでしょう。
(Q)ツーアウトで走者2塁。この場面でヒットが出ると、どう考えてもアウトのタイミングでも3塁コーチが腕をぐるぐる回して、2塁走者を本塁に突入させることがあるが、どうしてなのか?
(A)様々な状況を考えて総合的な判断に基づいて本塁へ突入させていると思います。
まず、打球を処理した外野手の肩の強さ、送球の正確さ。走者の足の速さ、次の打者の力量(代打の場合も頭に入れておく)、調子、投手との相性。さらに、ここに試合展開も加味する必要があります。
もし、2塁走者が3塁で止まればツーアウト1、3塁です。次の打者にヒットが出れば当然点が入りますし、エラーやワイルドピッチなどでも点が入ります。
では、具体的に。走者の足が速く、外野手の肩があまり良くなかったとします。そして、仮に、次の打者が打率2割そこそこの打者であまり調子が良くなくて、いい代打もいないものとします。
この条件では、走者を3塁にストップさせた場合、次の打者の場面で得点が入る確率は、打率の2割にエラーやワイルドピッチ等が出る可能性を加えても恐らく2割5分程度。従って、この場合、4度本塁へ突入されて3度はアウトになると分かっているタイミングでも、4回に1回くらいは、送球が逸れるなどしてセーフになると判断すれば、3塁コーチは回していいということになります。
それでは、走者、外野手の条件は同じで、次の打者が好調の栗原だったらどうでしょう。当然、セーフになる確率が4回に1回くらいのタイミングでは3塁でストップさせますよね。
栗原であれば、高い確率で3塁走者を還してくれそうですし、長打もあるので、彼の打席で2点、3点と入る可能性もあります。それに、4番打者です。4番の打席を前にして、無理な本塁突入を試みてアウトになれば、プライドを傷つけることになるし、周りも納得しないでしょう。
このように、7割、8割アウトになると分かっていても腕を回していい場面もあれば、そうではない場面もあることが分かります。
3塁コーチは、こういったことを全て事前に頭に入れた上で、実際に打球を見た上で一瞬で判断しなければなりません。その上、1球ごとにサインの伝達もあり、非常に難しいポジションであると思います。
本塁で走者がアウトになって
「今のは何で回したんだ!」
というプレーの裏には、必ず理由があります。状況を振り返ってその理由を探ってみるのも楽しいかも知れませんよ。
それでは、今日はこの辺りで失礼します。
新球場の開幕シリーズは、勝ち越しましたね。初戦は大敗してどうなることかと思いましたが、良かったです。
あのグランドに立つことをイメージしながら、治療に努めたいと思います。
質問コーナー
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広池さん
こんにちわ~いつも楽しみに拝見してます。
広池さんの分かりやすい説明で、野球を観るのに
今までの何倍も楽しくなりそう!
ひとつの勝利にも、全員の様々な形での貢献やガッツが
あるのですね。。。
伝えたい事があり、初コメします。
新球場での初戦、観戦に行ってきました。
残念な試合経過の途中のこと、
私の斜めうしろに座っていた年配の男性が
「広池はどうしたんやーおらんのかー広池だせやあ」
と、つぶやいていらっしゃいました。
つい、話しかけてしまいました。
聞けば広池さんが大好きとのことで
「調整で1軍におらんのは知っとるんじゃが、つい
言うてしまうんよー好きじゃけえのー」
ですって。
ブログの内容など教えてあげて、楽しくお話しました。
色んな方が、色んなかたちで
応援しています。
無理せず、焦らず、
でも早く(笑)
新球場のマウンドに立たれる姿を
楽しみにしています。
頑張ってください。
みんなで、新球場で
「ビールかけ」しましょうね!!
草野球程度の経験しかない僕にも非常にわかりやすい
解説、ありがとうございます!
少しながら野球の見方が広がりました!
広池さんの順調な回復を祈ってます!
広池選手,貴重なお話,ありがとうございます!!
すごく勉強になりました。
これから野球を見る目が変わりそうです。
質問回答コーナーを設けていただいて、しかも解り易く詳細まで書いていただき
ありがたいです。
今は悔しいでしょうけれど、焦らずに完治させて下さい。
ファンもカープも待っていますから。
長いシーズン、ベテランの知恵と経験と底力が絶対に必要になりますから。
いつも拝見してます。
以前書かれていたブログでもありましたが、
やっぱり広池さんのブログは、この丁寧でしっかりとした文体が似合っているし、良いと思います。
マエケンや天谷選手のような軽めのブログも面白いし、石井選手のような見やすいのもありますが、広池さんの今回のような手厚い説明は読み応えがありますからね。
サードコーチャーのGo or No Goの判断については
先日の巨人戦の中東選手の突入でネット上で議論渦巻いてましたが、
こういう説明をプロの選手にしてもらえれば、
単にアウトになったから悪いとかでなく、
そういうところからもう一歩踏み込んで野球を見ることが出来ますね。
初めて書き込ませていただきます。
3塁コーチの大切さ、難しさというものがよくわかりました。
そのときの状況。瞬間の判断。そして、確かに人間絶対ではない、
送球がそれる可能性も考慮しているというのは気付かなかったです。
15秒ルールを行うことで試合がスムーズに進む反面、選手にとってはデメリットもあるということがわかりました。やはり良いことの裏には悪いこともあるんですね。
とてもわかりやすい説明ありがとうございました。
広池選手
肩でなくて少し安心しましたが
ピッチャーマウンドと同じように
絶対に焦らないで確実に治して下さいね
先日、3塁コーチに関する件で質問をしたものです。
ここまで丁寧に説明していただき、恐縮の限りです。
今後、ホーム突入の場面を見る時は、広池選手の説明が頭に入っているので、よりエキサイトしそうです。
将来、広池選手がプロ野球選手として完全燃焼のできる花道を迎えられた後、
監督、コーチや、野球評論家、ノンフィクションライター、作家などに従事されるような事があれば、
広池選手の丁寧で分かりやすく、たまにエモーショナルな文筆活動やTV解説が見れそうで、とても楽しみです。
一番楽しみにしている事は、勿論、広池選手が新球場のマウンドで躍動している場面を見ることですけどね!
広池さんの文章は分かりやすいですね(^^)
仕事をしていて、相手を納得させるのって大変で
ついつい、じゃそうしましょーか
って相手が納得しやすい方法を選んでしまうんですけど
広池さんのように、ちゃんと説明できなきゃいけないですね(^^;
新球場で緒方さんが打席に立った時、涙が出そうでした
広池さんがマウンドに立った時も
泣くと思います
待ってます(^^)
広池さん、お疲れ様です。
眼の状態が良いと聞いて本当に何よりです。
レーシック手術の効果、すごいですね。
久々の質問コーナー、ありがとうございました。
マウンドを気にして懸命に慣らしている場面は、いつも興味深く観ています。
必死に慣らしたあとで球が浮いたり制球が悪くなったりしたら、
マウンドの状態が悪いのかなぁと思ったりします。
改めて重要な要素だと分かりました。
15秒ルールは、特に中継ぎの選手の方々にとっては、とても厳しい事ですね。
3塁コーチのお話も大変勉強になりました。
様々な状況を瞬時に判断して指示を出す、本当に凄い事ですよね。
もし本塁でアウトになったら、なんで回したんだと母とブーブー言う事も
しばしばですが、改めて大変なポジションなんだなぁと思います。
そんな時は試合中、試合後、いろいろとあれやこれや理由を考えて、
母と激論したりしてます。
広池さんの仰る通り、楽しい事ですよね。
3塁コーチは、あの様々な複雑なサインを全部理解して正確に伝達しているのもすごい事です。
ここで一つ疑問が湧きました。
コーチ、監督、選手、あの複雑で数の多い、さらには毎回変わるらしいサインをどのように
して覚えるのでしょうか?覚える作業はかなり重労働だと思うのですが…
今度、御時間のある時に教えて下さい。
金曜の大敗で、どうなる事かと思いましたが、勝ち越せて本当によかったですよね。
3日間、声を枯らして必死に応援し、今、声が出ません(苦笑)
神宮までには戻さねば!!!
この3連戦はいろんな要素満載でした。
まずは天候、ナイター、夏の様に暑くピーカンな晴天、くもり、雨。
そしてボロ負け、投手戦、ボロ勝ち(笑)
この3連戦だけで、これら全部が新市民球場で早速体験出来ました。
名古屋を過ぎました。
(広池さんが前書かれていた文面をまねてみました)
新幹線の中で広池さんにメッセージを書くのも、乙なものですね(笑)
明日も頑張って行きましょう!!!
がんばれ!僕らの28便!!!
選手が長い時間をかけて足場を作るのには、
そんな意味があったのですね!
知りませんでした。今度からは、ゆっくり待たないといけないと思いました!!!
そして、3塁コーチはすごい難しいんですね!
ただ手を回しているだけに見えましたけど、
“瞬間”に考えることが大切なんですね!!!
今日は勉強になりました!
野球ってすごく深いものですね!
こんばんは!
本日も、先ほど、新球場より戻ってまいりました。
私は、球場へ行くのが大好きですが、純粋にプレイに入り込んで観戦するのはもちろん、時折選手同士で見せるしぐさや、コーチ陣からの指示を受け取る選手の動きなども、興味深く見させてもらっています。
毎回、広池さんが解説していただけますと、助かるんですが(笑)、やはり、よく分からない動きをみることもしばしばあります。
しかし、そこはプロ選手の動きですから、何か考えがあるのだろうと思い、その意味を、勝手に想像し楽しんでおります。
もちろん、素人の想像の域を脱するはずなどなく、大概は、私の思いとは異なるようですし、実際にプレイすることなど出来ませんが、出来る限り近い感覚で見ていたいものです。
すでに、陽の暑ささえ感じる季節となりましたが、石原捕手、篠田投手ともに語られてましたが、まだまだ、長いシーズンです。
順調な、「超回復」、祈っております。
では。