今日は、ナゴヤ球場でウエスタンリーグの中日戦が行われましたが、3回終了後に、試合前から降り続いていた雨が強くなり、ノーゲームとなりました。登板間隔が開いているだけに、中止は残念ですが、時間ができたので、今日は「入団への道」の続きを書きたいと思います。
前回は、ドミニカの空港で、それまで一緒に自主トレを行ってきた野村さん、黒田をはじめとする日本人選手ならびに、当時、カープに在籍したペレス、ペルドモをはじめとするドミニカ人選手の出国を見送り、それまで滞在したホテルから、アパートへ引越しをしたところまでお伝えしました。いよいよ日本人の選手は私1人となり、ドミニカ共和国での修業もこれからが本番です。
日本人選手が帰国した翌日の(1998年)1月26日、この日から私は、カープアカデミーのドミニカ人選手達と一緒に練習を行いました。
ここにいる選手達は、実力を認められ、カープアカデミーと契約を済ませ、多額ではないものの、給料を貰っている「契約選手」と、その契約選手になるためのテストとして、練習や試合に参加している「テスト生」に分かれます。契約選手は、背番号のついたカープのユニフォームを着用していますが、テスト生は、自前のユニフォームらしきものを着用しているので、色とりどりで、まとまりに欠けます。もっとも、そんなことを気にしているのは、日本人の私だけでしょう。ドミニカの人達は細かいことは気にしません。契約選手であっても、上はホーム用の白のユニフォーム、下は、ビジター用のグレーのズボンという有り得ないスタイルで平然と練習をしています。ここはドミニカです。細かいことに目くじらを立てていたら疲れてしまいます。何でも有り得ることとして受け流す心を養っていかねばなりません。
そういえば、上之さんと街を車で走っていると、こんなことがありました。信号のある交差点で私たちの車が停止すると、道路脇から男の子が走って来ました。恐らく、まだ5歳か6歳くらいではないでしょうか。その子は、持っていた容器の中に入っていた泥水(多分、水溜まりの水)を突然、私たちの車のフロントガラスにぶちまけたかと思うと、汚れた布らしきもので拭きはじめました。呆気にとられて見ていると、今度は私の乗る助手席のほうの窓のところに来て、手を出しています。これは一体!?もしかして、お金をくれと言っているのか!?私が戸惑っていると、隣で上之さんが言いました。
「浩司、(窓を)開けちゃだめだ。」
信号が青に変わったので、上之さんは、車を走らせました。諦めたその子は、車から離れ、道端に戻っていきました。私が、ずっと目で追っていると、その子の走る先には、大人が座っていました。まさか、親!?家族ぐるみなのか!驚きました。「窓を拭いたから、金をくれ。」ということらしいです。しかも、あの一家は、あの「仕事」で生計を立てているのです。
その後も、「拭いた後のほうが汚い窓拭き」以外にも、交差点に止まるたびに様々なものを見ました。新聞売り、お菓子売り、生きた鳥売り、変な動物売り、どこかで拾ってきたもの売りなどなど、結局、ドミニカ滞在中に交差点で新聞以外は買うことはありませんでしたが、非常にインパクトのある出来事として、今でも鮮明に心に残っています。
話は逸れましたが、ここドミニカでは、今まで暮らして来た日本で培った常識にとらわれていたらいけないということです。
ドミニカ人選手との練習が始まりました。みんな明るく友好的なので、すんなりと溶け込むことができました。あるとき、日本語(カタカナ)で彼らの名前を書いてあげるととても喜ぶことが分かり、ほぼ全員の帽子の裏に名前をマジック書き、コミュニケーションを図りました。言葉はまだほとんど通じませんが、野球のルールや基本は何処でも一緒。何とかなるものです。ただ、のんびりとした国民性そのままに、練習も終始のんびりリラックスムード。練習と練習の間の休憩が長く、最後は流れ解散。いつ練習が終わったのかすら分かりません。日本人の中でもせっかちな部類に入る私にとって、ちょっとイライラするときもありましたが、
「ここは、ドミニカ。これが当たり前。我慢、我慢。」
と呟きながら、そのゆっくりした流れに逆らうことなく乗ることにしました。
ただ、足りない部分は、自分で補う必要があります。試合のない日は、基本的に午前中で練習が終わるので、午後からは、一人グランドに出て、走り込みをしたり、ネットに向かってボールを投げたりして過ごしました。アカデミーの広大な敷地を独り占めしての自主練習。何とも贅沢です。
私自身、プロの投手になる為には、全てが足りないと思っていました。中には、帰国まではたくさんの時間があるのだから、ゆっくりやればいいと言ってくれる人もいましたが、ゆっくりやっていては、全ての課題を克服出来ないと私は感じていました。従って、自主練習はほぼ毎日の日課になりました。
[異国の地の誰もいない広大なグランドで、一人自主練習。誰も見てないけど、黙々と走る。誰も見てないけど、黙々と投げる。練習に没頭してるうちに、太陽は西に傾き、辺りは一面燃えるようなオレンジ色に。南国の情熱的な夕焼け空を見上げ、私は汗を拭った。]
プロジェクトXの主題歌「地上の星」を流して欲しいくらいですね。野球に飢えていた私。やっと得た野球をする機会を、私は心から喜んでいました。疲れ果てるまで野球ができることが幸せであると同時に、頑張っている自分に少し酔っている部分もあったように思います。
ドミニカに入って、まだ3週間。私はとても元気でした。自主練習が終わって、首都のサント・ドミンゴに戻ってからも体力強化をする為に、アパート近くのホテル内にある、スポーツジムの会員になり、ウエイトトレーニングと水泳を行うことにしました。
練習環境も整い、順調にドミニカでの生活を滑り出した私に、朗報が届きました。私の試合での登板を打診していた上之さんのもとに、試合登板を許可するとの連絡が届いたのです。
「浩司!試合だ!投げられることになったぞ。いつがいい?早いほうがいいな。じゃあ、(1月)30日のアストロズ戦だ。頑張れよ!」
「はい!」
いよいよ、実践デビューが決まりました。大きな喜びと、ほんの少しの緊張を私は覚えました。
私は、試合前日に気合いを入れる為に、近くの床屋に散髪に行きました。結果は散々。コミュニケーション力不足から、激しく刈り上げられ、もみあげは切り落とされ・・。この髪型、気合い入り過ぎです。まあ、気にしない。ここは、ドミニカですから。
今日は、ここまでです。次回は、感激の実戦登板の場面からお伝えしたいと思います。
2008年5月アーカイブ
今日は、9時から大野練習場で約3時間ほどの練習を行いました。
練習内容は、キャッチボール、平地での軽めのピッチング、守備練習、ダッシュ、ウエイトトレーニング、最後に肩甲骨のトレーニングをして終了しました。比較的軽めのメニューでしたが、いい集中力を持って取り組めたと思います。
昨日は、「上昇気配」という題名で前向きな文章を書きました。実際には、以前より少し体が動くようになったこと、そして、キャッチボールで数球いいボールがあった程度だったのですが、敢えてみなさんに「上昇気配」と公言することで、私自身が上昇気配に「なりきる」ことに期待しました。軽い暗示掛けです。
効果はありました。今日もよく体が動き、投球のバランスも整ってきたように思います。気持ちが体を動かしました。自分がいい状態であると思い込むことで、体からいいエネルギーが出てきたように思います。何より明るく練習に打ち込めるようになりました。
あとは、試合で結果を残すこと。ファームなので内容も大切です。だいぶ登板間隔が開いていますが、出番があれば、全力でいきたいと思います。
今日は、由宇球場へ行って練習の予定でしたが、昨日からの雨の影響でグランドが使えず、大野練習場での練習に変更になりました。明日も試合が入っていないので、今日の練習はとてもハードなものになりました。
守備や、下半身強化を中心とした厳しいメニューでしたが、体がよく動くようになってきたように思います。まずは、体がいい状態になること。そこから全てが始まります。投げるほうも、今まで特に悪かったわけではありませんが、これで今後、さらにいい状態に持っていけるような感触があります。
明日は、その後の試合にいい状態で臨むために、量より質を重視した練習をしたいと思います。
今日も、由宇球場でウエスタンリーグのソフトバンク戦が行われました。
雨が心配されましたが、予報より本降りになる時間が遅れて、結局、最後まで試合をすることができました。
試合は、相手先発の大場投手の尻上がりの投球を捕らえることができず、1対3で敗れました。
私は登板なし。これで2カード連続で登板がありませんでした。残念です。
実は、昨日からグローブを代えました。有り難いことに、毎年、メーカーさんから数個のグローブを頂けるのですが、今年はオープン戦中から試合用にする為に、ずっと育て続けてきたグローブの型付けに時間がかかってしまったので、今まで、昨年使っていたものをそのまま使用してきました。やっぱりグローブのせいで、ボールを弾いたり、エラーしてしまったら後悔してもしきれないので、見切り発車することはできませんでした。但しその辺の考え方は、投手によって違います。メーカーから送られてきたグローブを数日後には、試合デビューさせる、「新しくて格好が良ければいい派」と、しっかり練習で使い込んで、型付けが終わってから試合デビューさせる、「実用性最優先派」に分かれます。私も、3年目くらいまでは前者でしたが、試合の中での1球の大切さ(恐さ)を知ってからは、完全に後者です。もちろん、野手の人たちはみんな後者です。ご存知の方もいるとは思いますが、今、ファームで打撃コーチをしている浅井さんは、現役のとき十数年の間、同じファーストミットを補修を重ねながら試合用として使っていました。いいグローブというのはなかなか出会えるものではありません。従って、「これだ!」というグローブに出会った時は、試合用としてそのグローブと長く付き合うことになるのです。
投手の場合、私の周りの選手は、1年間に1個か2個のグローブを試合用として使います。私が、今回、試合デビューさせたグローブは、今までに比べるとやや小さめですが、型付けがうまくいったので、捕球のフィーリングは最高です。色も気に入っています。これからは心機一転、このグローブとマウンド上で運命を共にしていきたいと思います。今までの試合用のグローブは、しばらく練習用として活躍してもらった後、家で大切に保管します。
グローブの話しが意外と弾みました。機会があれば、またグローブについてのいろいろな話をしてみたいと思います。
今日は、由宇球場でウエスタンリーグのソフトバンク戦が行われました。
試合は、投手に決定的な守備のミスが出てしまい、逆転負け。打たれて負けるより、数倍後味の悪い試合になってしまいました。
投手も投げ終わったら野手です。改めて守備の大切さを思い知らされる結果となりました。ファームでは、投手も毎日、守備練習を行っていますが、今後も強い意識を持って取り組んでいきたいと思います。
私は、登板なし。明日の試合のあとは、2日間試合がないので、できたら明日は登板したいです。課題は、シュート、スライダーの精度向上と、低めへのコントロールです。
それにしても、由宇は日差しが強い。これも空気が澄んでいるからでしょうか。ブルペンもグランド内にあって、待機する場所にも屋根がないので、私たち中継ぎ陣は試合中、日差しを浴びっぱなしです。また、観客席(全席芝生席)も日陰がほとんど無いので、観戦されるファンの方々も、これからの季節は大変です。どうか、由宇で観戦しようとお考えの方は、紫外線と熱中症の対策を万全にしてお越し下さい(但し明日は曇りのち雨の予報)。もちろん私達も、投げる前にバテることがないように、気をつけます。
最後になりますが、今日は由宇で本当にたくさんの方から、私のブログを見ていると伝えられました。ありがたいことです。これを励みにして、野球のほうを頑張ります。
今日は、自主練習の日。練習は、自宅近くで軽めに体を動かす程度にとどめて、残りの時間は静養に努めました。
昨日は、帰りの車の中で珍しく大音量で音楽を聞きました。普段は、ラジオをたまに聞く程度ですが、昨日は沈滞気味だった気持ちを晴らすべく、大学時代によく聞いた「TUBE」の曲を聞きました。
夏には少し早いですが、燃えるような夕日を浴びて走る車の中で聞いた、少し懐かしい感じのするTUBEの曲は心に響きました。
音楽には不思議な力がありますね。元気になりました。曲を聞きながら、当時の野球部での出来事を思い出したり、プロに入る為に必死だった気持ちを思い出して、心が洗われるようでした。
私は、他の選手に比べて、知っている曲は少ないと思います。でも、その分、お気に入りの曲が、それを聞いていた時代と確実にリンクしているので、曲を聞くことによって過去の思い出を鮮明に呼び起こすことができます。
ファームにいるときは、車を運転する機会が多くなります。運転自体が嫌いではないので、ストレスを感じることはありませんが、地元にいるときは、毎日必ず往復で1時間くらいはある運転中の時間を、より有効な時間にする必要があると思います。今後は、気分に合わせた音楽を聞くなど工夫をして、この時間を過ごしたいと思います。
明日からは、由宇で2連戦。シュートとスライダーを使って打者を横に揺さぶること、そして低めへの制球を意識して、投げたいと思います。
今日は、由宇球場でウエスタンリーグのサーパス戦が行われました。
昨日からの雨の影響もあり、午前中はグランド状態が悪かったので、7時30分から大野練習場で、キャッチボールやダッシュ等の軽めの練習をした後、由宇へ向かいました。
試合は、中盤に逆転を許し、3対5で敗れました。私は、雨天中止だった昨日の先発予定の投手が、ロングリリーフをした影響もあって、登板はありませんでした。
投げたかったです。しかし、それを言っても仕方がありません。それに、投げたい投手は私だけでなく他にもたくさんいます。我慢です。その分、大野に帰ってから、たっぷりと練習しました。今やっていることが、必ず報われる時が来ると信じて。
天気予報が当たりました。やっぱり雨が降りました。今日、予定されていた、ウエスタンリーグのサーパス戦は中止になりました。
朝、広島市内の自宅を出たときは曇ってはいましたが、降っていなかったので、少し期待しましたが、西に進むにつれ雨が降り始め、大野練習場に着いた頃には、本降りの雨となりました。
やはり、試合をしたかったです。昨日も言いましたが、今の私にとっては、試合で投げて抑える。これを繰り返す以外に道を拓く方法はないのです。
しかし、天気を私の力で変えることは出来ません。それなのに、天気のことで気を揉んでいる私がいます。ここ最近、自分の力ではどうすることも出来ないことに関して、考え込んだりすることがあるので、今一度、自分の出来ることだけに集中していきたいと思います。
今出来ること。明日に備えて休むこと。それだけです。まだ雨が降っていますが、降り続ければ、中止。止めば、試合。決めるのは私ではありません。おやすみなさい。
今日は、由宇球場でウエスタンリーグのサーパス戦が行われました。
試合は、投手陣の好投で相手打線を1安打に封じ、2対0で完封勝ちしました。
私は、ブルペンで肩を作りましたが、登板はありませんでした。ここのところ、競った展開ではいつも登板してきたので、今日も投げたかったです。
その分、大野練習場に帰ってから、普段より多めに肩や体幹のトレーニングを行い明日に備えました。天気予報はあまり良くないですが、出来れば試合をやって欲しいです。今は試合で投げて抑える。それしかないですから。
今日は、由宇球場で10時から練習が行われました。
午前中は、阪神との2連戦で目立った守りのミスの修正に時間を費やしました。そう言えば、昨日、全日本の星野監督は、試合前のミーティングで、
「野球は筋書きのないドラマと言われるが、そうではない。野球はミスをしたほうが負け。そうなるようになっている。」
と言っていました。確かに、昨日は、阪神が終盤に、先頭打者への四球、大事な場面でのエラーなど、ミスを連発して私たちに逆転を許しました。逆に、一昨日の試合では、同点に追い付いた直後の守りで、大きなミスがカープに出て試合を落としました。
野球にミスは付き物ですが、それを少なくする為には練習しかありません。そして、投手で言えば、ベースカバーの遅れや、サインミスなどは、気持ちひとつで絶対に防ぐことができるものです。当たり前のことではありますが、今一度基本に立ち戻り、マウンドに登りたいと思います。
私は、守備練習、軽めの投球練習、走り込みなどの予定通りのメニューを消化して、16時頃に大野練習場に戻って来ました。
明日からは、由宇で3連戦です。内容の伴った結果を出せるように、最善を尽くしたいと思います。
今日も、甲子園球場でウエスタンリーグの阪神戦が行われました。
今日は、オリンピックの野球日本代表監督の星野さんをはじめとする首脳陣が、カープの指揮を執りました。
ベンチには、「JAPAN」のユニフォームを着た、星野監督、山本浩二さん、田淵さん、大野さんが腰掛け、いつもとはまた違った緊張感がありましたが、試合は、終盤の逆転劇(6対2)で勝ちました。
私は、7回裏2死、1塁3塁の場面で登板して、左打者1人を三振に仕留めました。その後、味方が反撃を開始して、最終回に逆転をしたことを考えると、あの場面を抑えたことで、いい流れを呼ぶことができたのではと思います。
今日は、ブルペンからマウンドに上がると、待っていたのは、代表の投手コーチの大野さんでした。大野さんは、言わずと知れた、テスト生の星。同じテスト生から入団した私にとっては、憧れの人です。
大野さんは、私の入団1年目にカープで投手コーチをしていたので、9年ぶりにマウンド上でボールを受け取ったことになります。大野さんは私にボールを手渡すと、
「まだ味方の攻撃が2イニングもあるんだ。諦めるな!」
と言い、私の投球練習を見守りながら、
「お前には細かいことは何も言わん。任せたぞ!」
と言ってくれました。嬉しかったです。
試合も大野さんの言われた通り、残りの2イニングで逆転しての勝利。今日は、いい経験をさせて貰いました。明日は、広島に戻って練習。少し走り込みをしたいと思います。
今日は、甲子園球場でウエスタンリーグの阪神戦が行われました。
今日は、オリンピックの野球日本代表の監督である、星野さんをはじめ、田淵さん、山本浩二さん、大野さんが、本番へ向けての練習の為に阪神ベンチに入って指揮を執りました。
従って、テレビ中継などもあり注目を集めた一戦になりましたが、試合には4対6で敗れました。
私は、2/3回を打者3人に対して被安打1の無失点でしたが、前の投手が残した走者を還してしまったので、不満です。左2人を内野ゴロに打ち取ったのは良かったですが、右打者に対して、球が高くなりました。配球も含めて反省して明日に臨みたいと思います。
明日は、日本代表の首脳陣がカープのベンチに入って、指揮を執ります。いい試合をして勝ちたいです。
随分久しぶりになってしまいましたが、「入団への道」のドミニカ野球留学編の話の続きをさせていただきます。
前回(4月28日更新分)は、ドミニカ共和国での2日目夜、コミュニケーション力の不足から、黒田が食事会場から怒って帰ってしまった事件をきっかけに、私が、ドミニカの公用語であるスペイン語を学ぶ決意をしたところまでお伝えしました。
次の朝、黒田は、私達の心配をよそに、元気よくアカデミーまで向かうマイクロバスに乗り込んで来ました。
「お早うございます!」
その明るい声を聞いて、私は安心しました。恐らく、その場にいた(小林)幹英と遠藤も同じ気持ちだったように思います。
よく考えてみれば、黒田は、私や幹英からすれば1つ年下です。しかし、既に1年間プロとして実績を積んだ者と、そうでない者の間には、大袈裟に言えば格の違いみたいなものが存在していたので、私達の自主トレはやはり黒田を中心に回っていました。従って、黒田が不機嫌だと困るのです。やはり練習は明るい雰囲気の中でやりたいですからね。だからこそ、一夜明けて持ち直した彼を見てみんなホッとしたのです。
ドミニカでの自主トレは順調に進みました。やはり温暖な気候が、投球に好影響を及ぼしているようです。肩や肘の関節が、日本にいるときよりスムースに動くような感じがして、力を入れなくてもいいボールが投げられました。
そんな私を見て、早めの試合での登板を首脳陣に打診してくれた人物がいました。ドミニカのカープアカデミー責任者の上之(うえの)さんです。上之さんは、中学生のときこのドミニカ共和国に家族と共に移り住み、以来、様々な苦労を重ねながらも自らの努力で道を拓いてきた方で、私と出会う数年前には、カープのドミニカ人選手の通訳として日本でも活躍されていました。
「浩司、いい感じだなぁ。早めに試合で投げたいだろ?試合で投げた方が課題も見えてくるしいいと思うぞ。」
上之さんは、ドミニカ滞在当初から親しみを込めて私のことを「浩司」と呼んでくれて、本当に色々と気にかけてくれました。結果的に私は9ヶ月ものドミニカでの修行を完走することができましたが、それは、上之さんの存在があったからこそであり、間違いなく私の恩人の1人です。
ドミニカに来て1週間後の1月16日。私は初めてブルペンに入りました。立投げ(捕手を立たせたままの状態で行うブルペンでの投球練習)で30球。白武スカウトや上之さん、そしてたくさんのドミニカ人選手が見守る中で投球を披露することになりました。
多くの人が注目する中での投球だったので、少し力が入りましたが、非常にいいボールを投げることができました。当時の日記には、投球の際の留意点として毎日のように「柔らかく、大きく!」と記されています。これは、「ボールを柔らかく握り、手首や肘を柔らかく使い、フォローを大きくとる。」ことを指しています。これを常に念頭に置いて、キャッチボールや遠投を重ねてきた成果が出たのです。
評価も上々でした。上之さんは、「今後、アカデミーの選手のいい見本になってやってくれ。」と言い、白武スカウトも「1位(遠藤)と比べても遜色ない。」とまで言ってくれました。私の中で、その日の状態が出来過ぎであったことは分かっていましたが、投手としてこれだけ褒められたのは、子供の頃以来だったので、とても幸せでした。
夜は、ドミニカの自主トレに合流した、野村さんを交えて、私たちの宿泊するホテルから車で40分ほど離れた、首都サント・ドミンゴへ焼肉を食べに行きました。
ドミニカ共和国は、経済的にそれほど豊かな国ではないと思いますが、首都であるサント・ドミンゴの中心部だけは別格です。カジノ付きの高級ホテルや、富裕層の豪邸が立ち並び、数多くのレストランも存在します。また、街路樹が道を覆うほど生い茂り、高いところから、サント・ドミンゴの街を眺めると、まるで森の中に街が存在するかのようです。
その街の一角にある焼肉屋さんで、私は、数年後に2000本安打という偉業を成し遂げることになるスター選手と、席を並べて食事をすることになりました。
黒田と初めて話をしたときも、非常に嬉しかったですが、野村さんとの会話は、また感動的でした。憧れのスター選手と、一緒に食事をして、会話をする。数カ月前では、考えられなかったことが、今、現実となっています。
しかも、野村さんは、上之さんから、私がドミニカに来たいきさつを聞くと、何度も私に対して励ましの言葉をかけてくれました。とても感激をしました。そして、決意を新たにしました。
「入団を勝ち取って、野村さんと同じグランドに立つんだ!」
昼間の初ブルペンと合わせて、私にとっては忘れられない、幸せな1日となりました。
その後も私の自主トレは概ね順調に進みました。ブルペンでの投球数が増えるにつれ、腕に疲れが出てボールが行かなくなる日もありましたが、それも少しずつ改善され、徐々に投手らしくなっていきました。
そして迎えた、1月25日。野村さん、黒田をはじめとする日本人選手が帰国する日になりました。私は、日中のほとんどの時間を見送りの為に空港で過ごしました。明日からの練習は、アカデミーのドミニカ人選手に混じって行うことになり、グランド上では日本人は1人ということになります。それでも、多少の不安はありましたが、寂しさは感じませんでした。なぜなら、同じくその日、日本へ向かう為に空港に来た、当時のカープに在籍したドミニカ人選手である、ペルドモ、ペレス、グスマン、ケサダの4人の前向きな姿を見たからです。彼らも、これから長い間、母国を離れて異国の地で野球をすることになるのですが、驚くほど生き生きとしていて、明るく旅立っていきました。そうです。寂しがっている暇などないのです。私もドミニカ人選手も、夢を掴む為に母国を離れて野球をしているのですから。
みんなの出国を見送ってから、私は、今まで滞在したホテルから、首都・サント・ドミンゴにあるアパートに引越しました。明日からは、生活環境も練習相手も変わります。私のドミニカでの野球留学もこれからが本番です。私は、希望とほんの少しの不安を胸に眠りにつきました。
今日は、ここまでにします。現在はファームに在籍する私ですが、ドミニカでの日々を思い出すと前向きな気持ちになります。今後も、当時のように何があっても前向きに生きていきたいと思います。
今日も、由宇球場でウエスタンリーグの中日戦が行われました。私は、2点リードの8回1死、走者1塁の場面で登板して、左打者1人を左飛に打ち取って、次の左打者に、相手が代打の新井を送って来たところで交代となりました。
打者1人に対しての登板でしたが、展開上、大事な場面だったので、貴重なアウトを取ることができて良かったと思います。試合は2対1で勝ちました。
今日は、スライダー中心の攻めとなりましたが、抜け球もなく比較的良かったと思います。ただ、突き詰めていくと、1球ごとにまだ曲がり幅に多少違いがあるので、もっと投げ込んで安定感を出していきたいと思います。
話は変わりますが、先程名前が出た新井選手。ご存知の方も多いと思いますが、彼はカープから移籍した阪神の新井貴浩選手の弟です。私と、兄の貴浩は同期入団であり、ドラフト後に広島市内のホテルで行われた入団発表の際、新井の家族と、私の家族が同じテーブルに座ることになりました。そこで今でも忘れられない出来事がありました。
私たちの座るテーブルの近くを通りかかった、当時の監督である達川さんが、その時中学生だったと思われる、弟・良太の体格を見て一言。
(達川さん)「君が新井君か。噂どおりのいい体をしてるなぁ。頑張って!」
(一同)「・・・。」
さすがに、その場にいた誰も突っ込みを入れることはできませんでした。確かに、弟も体は大きかったですが・・。今思えば、達川さんが咄嗟に繰り出したギャグだったのか、それとも、本気で間違えたのか。真相はわかりません。
10年前、同じテーブルに座った縁もあるせいか、弟の良太選手はグランドで会うと、大きな声で挨拶をしてくれます。今日も、代打で出てきたときは、気合いが入りましたが、私が交代を告げられてしまい少し残念でした。
ともあれ、今日は接戦をモノにすることができました。昨日に引き続き、今日もたくさんの方々が由宇まで足を運んで下さったので、勝ち試合を見せることができて本当に良かったです。明日は、大野練習場で練習です。キャッチボールでスライダーを多めに投げて、精度を上げたいと思います。
今日も、由宇球場でウエスタンリーグの中日戦が行われましたが、0対7の完封負けで、私の登板もありませんでした。
今年のファームは、粘り強い試合を続けてきた印象がありましたが、今日は、中日先発の佐藤充に対して、チャンスを作ることができずに完封を許し、投手陣も小刻みに失点を許してしまい終わってみれば完敗でした。
見せ場の少ない試合でしたが、土曜日ということもあって、由宇球場にはたくさんのカープファンの方々が足を運んでくれました。私が入団した頃に比べると、間違いなくその数は増えています。
ファームは、自らの技術向上を目指す場所であるとは思いますが、これだけ多くの方々が、貴重な休みを使って私たちのプレーを見に来てくれているのですから、やはりいい試合をしなければいけないと思います。由宇のファンの方々はとても温かく、今日のような試合でも最後まで応援してくれます。明日は、来て良かったと思ってもらえるような試合をしたいです。
今日は、由宇球場でウエスタンリーグの中日戦が行われ2対1で勝ちました。私は、同点の6回から2イニングを投げて、無安打、2奪三振、与四球2の無失点で、勝ち投手(2勝目)になりました。
今日は、ボールの質自体は良かったと思います。ストレートのMAXは142キロでしたが、ボールを「捕まえている」感覚があったのでいい軌道の球を投げることができました。ただ本当に意味のない四球が1つあり、それでピンチを招いてしまいました。原因は、私自身理解しています。次に生かしたいと思います。
何はともあれ、降格後の再スタートとしてはまずまずだったように思います。今日を最初の一歩として、ステップアップしていきたいと思います。
今日は、休日。野球から離れ、午前中は定期的に通っている治療院で体の手入れを、午後は家族と買い物などをして過ごしました。
実は、我が家のテレビが一昨日から調子が悪く、昨日には何度電源を入れても、音声だけしか聞こえない上に、数秒後には電源が勝手にオフになるという厳しい状態になりました。
電気屋さんに家に来てもらいましたが、修理には数万円かかるので買い替えたほうがいいと言われてしまいました。うちのテレビは、購入から7年目を迎えたブラウン管テレビです。確かにいずれはデジタル放送対応のテレビに買い替える必要はあったのですが、もう少し頑張って欲しかったです。
結局、今日、やむを得ず新しいテレビを買いました。テレビがないほうが、静かでいいなんて言ってられるのも数日の間だと思ったので、休みを利用して買いに行きました。
デジタル放送は、画面がきれいです。びっくりしました。せっかくいいテレビが来たので、元気な姿をこのテレビを通じて家族に見てもらえるように、また明日から野球に打ち込みたいと思います。
今日は、社会人野球広島大会が行われ、準決勝はワイテックに7対3で、決勝は三菱重工広島に8対1(7回コールド)で勝って優勝しました。
私は、コールド勝ちの影響もあって登板はありませんでした。
私は、この大会に初めて参加しましたが、見ていて多少戦いにくさを感じました。二軍とはいえやはりこっちはプロ。精神的にどうしても受け身に回ってしまいます。その証拠に予選も含めて4試合、全て序盤に相手に先行を許して、中盤以降に逆転しています。
言葉は悪いですが、一発叩かれてから目を覚まし、受け身の気持ちが消えて、力を出し始めると言った感じです。
それでも久しく優勝していなかったこの大会で勝てたということは、チームにとって良いことです。
今日は、登板はありませんでしたが、ブルペンでの立ち投げではとても良い感覚を得ました。それに、社会人の選手の元気の良さ、ひたむきさは、むしろこちらが学ぶべきであると思いました。それに、これまた表現は難しいですが、勝つ為の「いい意味での狡さ」は、社会人選手のほうが上回っている部分もあり、常に一戦必勝で戦っている強さを感じました。
私にとっても、今後、落としていい試合など存在するはずがありません。今日、見たものを自分の糧として戦っていきたいと思います。
今日は、大野練習場で7時半から練習を行いました。私は、ピッチングを行う予定でしたが、明日の社会人野球大会にベンチ入りする予定になったので、キャッチボールを強めに行って調整をしました。その後は、守備練習やダッシュ、肩甲骨のトレーニング等を行い、3時間程で練習を終えました。キャッチボールでは、もう少しいい感覚を期待しましたが、今日のところは平行線といったところ。良くなるまで投げ込みをしようとも考えましたが、体調や明日の試合のことも頭に入れて控えめにしました。明日の上昇に期待したいと思います。
ファームの本隊は、2時間程で練習を切り上げて、11時半からの試合に合わせて、慌ただしく市民球場へ移動していきました。今日勝てば予選突破で、明日の決勝トーナメントに進めるとのことです。
トーナメントの一戦必勝の緊張感や、社会人チームの元気のよい声出しなど、普段とはまた違った経験をすることができる思うので、頑張りたいと思います。
今日、ファームの本隊は、市民球場で社会人野球広島大会に参加しました。私は、残留者と共に、9時から大野練習場で3時間ほど汗を流しました。
その後は、昼食を挟んで、マッサージ等の治療を行い、練習場を14時半頃に出ました。
今日の広島地方は、朝から抜けるような青空が広がり、とてもすがすがしい1日でした。沈みがちだった気持ちも、快晴の空の下でたくさんの汗をかいたことで、随分上向きました。
今日は、体力強化が中心でしたが、明日からはピッチングも再開して、少しずつでも前進していきたいと思います。
昨日の練習後、宿舎に戻ってから通達されました。
今日は、チームから離れて新幹線に乗り、広島に戻ってきました。
今回の登録抹消は、精神的なダメージが大きいですが、下を向いていても何も変わらないので、明日からまた、練習に励みます。
今日、神宮球場で行われる予定だった東京ヤクルト戦は、昼過ぎから降り出した雨の為に中止となりました。これで、神宮での雨天中止は、今季早くも3度目になると思います。
チームは、16時前から神宮の室内練習場で、練習を行いました。
私は、キャッチボールや、ダッシュ、下半身の強化運動などの投手陣の通常のメニューを消化した後、体のキレを出す為に、ティーバッティングを行いました。ピッチングとバッティングには、体の使い方に共通する部分があるので、とても有効な練習になったと思います。
中止は残念ではありますが、それにより、試合前の練習ではなかなか取り入れることができないメニューをいくつか消化することができました。
雨は、明日の午前中には止むと思うので、試合に備えたいと思います。
一部の新聞で報道されてしまった、昨日の登板後の件でご心配をおかけしました。
体調は回復して、今日は普通に練習に参加しているので大丈夫です。
今日もこれからしっかり休んで、明日に備えます。
今日、1軍登録され、ナゴヤドームで早速登板しましたが、結果は、2回3失点。チームの力になれず悔しいです。
次に登板機会があったら、結果を出すしかありません。
今日は、京セラドームでウエスタンリーグのサーパス戦が行われました。
私は、1点ビハインドの6回から登板して、2回を被安打2、奪三振2の無失点でした。
今日も、力むことなく、いろいろな球種を投げて打ち取ることができました。ただ、新しいスライダーの精度は今日は満足のいくものではありませんでした。いい感触でリリースできたときは、完全にタイミングを外して空振りや見逃しが取れますが、左腕が体から離れ、遠回りして球離れが早くなったときは棒球になりがちです。普段の練習から、スライダーを多めに投げて精度を上げていきたいと思います。
ところで、今日の試合は、「親子ゲーム」で行われました。この親子ゲームというのは、1軍の本拠地球場で、午前中に2軍が試合をして、同じ場所で1軍がナイターを行うものです。2軍の試合は、1軍のホームチームの練習開始(大体14時前)までに終わらせる必要があるので、早い時間に始まり、しかも2時間半の時間制限が設定されます。今日の場合は、10時45分試合開始だったので、13時15分を過ぎたら新しいイニングに入ることができない計算になります。
今日の試合は、試合開始から2時間28分後、8回裏2死まではカープが1点リードしていました。走者は1塁と3塁にいます。あと、2分かけてこの回を抑えれば、9回を戦わずして勝利を手にすることができました。しかし、その後、盗塁とタイムリーヒットでまさかの逆転。その時の試合時間は、2時間31分。今度は逆に9回を戦わずして負けることが決定した上に、敗戦が決まっているにも関わらず、あと1死を取るために守るという、非常に悔しい現実を突き付けられました。
最後の打者は、三振。ゲームセット。普通は、ここでハイタッチの輪がマウンド付近にできるはずですが、みんな普通に走ってベンチに戻って来ます。逆に相手チームが最後の打者を迎えて微妙なハイタッチ。何とも言えない結末でした。それをベンチで見ていて、とても悔しかったです。
広島に戻ってきました。今後も、1軍昇格に向けての努力を続けます。
今日は、北神戸でサーパス戦が行われ、11対2で快勝しました。
私は、ブルペンで肩を作りましたが試合での登板はありませんでした。今日は、足を上げて右足を捕手方向に踏み出すときに、右の腰と右の肩の開きが少し早かったように思います。明日は、その点を注意していきたいと思います。
今日は、午前9時から大野練習場で練習を行いました。昨日、一昨日と時間が確保できずに断念した、体のバランス強化トレーニングと、肩と肩甲骨の強化トレーニングを重点的に行いました。
昨日は、八代から移動して、夜遅くに自宅に戻ったので、今朝の6時半起床は少し厳しかったです。皆さんは、どれくらい睡眠をとっていますか?私は、昔から人よりたくさん寝るタイプでした。全日空にいたときは、全く運動をしていなかったので、5時間程度でも元気でしたが(但し休日に寝溜め)、プロになってからは、8時間は寝ないと翌日スッキリしません。欲を言えば9時間は寝たいところです。もちろん、睡眠の質も大切です。いい眠りにつく為に、リラックス効果のある香りがする枕を使ったり、音楽を聴きながらお香を焚いたり、寝る前に半身浴を長めに行ったりしています。
また、自宅のベットはいろいろと調べた上で選んだ「畳ベット」です。私の理想は畳の上に、薄めの敷布団を1枚敷いて寝ること。柔らかいベットは好みではありません。
このように、睡眠に対してはそれなりの対策を練っています。それは、いい睡眠がいい野球に繋がると考えるからです。ただ、それでも眠れない時もあります。そう、打たれた時、そして意外にも会心の投球をした時です。
打たれた時は、説明不要でしょう。悔しくて眠れない。これは、ある意味当然です。
会心の投球をした時。この時は喜びが大きすぎて、何度も抑えた場面を思い出してしまうので、興奮状態がずっと続きます。また、やっと眠りについたとしても、翌日の新聞の記事を早く見たくて、早朝に目が覚めます。深い眠りにつくのは新聞に目を通して満足してからになります。
あと、長いイニングを投げた時は、内容に関わらず寝付きが悪いですね。長時間に渡って出続けたアドレナリンは、やはり引っ込むのにも時間を要するのでしょうか。
試合でたくさん投げたら、疲れて眠れると考えるほうが普通ですが、そうではない選手のほうが多いようです。ドジャースへ行った黒田も、先発した日は朝まで眠れないことが多いと言っていました。
いずれにしても、選手にとって睡眠はとても大切です。特にこれから暑くなってくると、体力の消耗が激しいので、睡眠は、栄養と共に重要な要素になってきます。暑くなっても元気にグランドに立ち続ける為に、今の時期から、睡眠時間をしっかりとって、質の向上の為の工夫も続けていきたいと思います。
今日は、熊本県八代市でウエスタンリーグのソフトバンク戦が行われましが、私の登板はありませんでした。試合は、投手陣が崩れ、4対11で敗れました。
四球やエラーの後に痛打を浴びる悪循環で、内容の悪い試合でした。
ところで、私は八代市に初めて来ました。私は、初めて足を踏み入れた土地に来た場合、時間があれば散歩をすることに決めています。元々地理が好きな私は、その街の雰囲気を肌で感じたいという気持ちが強いからです。
八代は、のどかな田園風景が広がるいいところでした。高い建物が少ない為、とても見晴らしがよく、都市部では決して見ることができない大きなこいのぼりが、夏の始まりを感じさせるような暖かい風に吹かれて、泳いでいました。
この仕事をしているお陰で、色々な場所に行くことができます。移動は大変で、疲労も伴いますが、私にとっては楽しみでもあります。
帰りは、新八代駅から博多駅までJRの「リレーつばめ」という特急電車に乗りました。そう言えば数カ月前、電車好きの息子が「お父さん、これに乗りたい!」とリレーつばめの写真を見て言っていたのを思い出しました。その時、私は「いつか一緒に乗ろう!」と答えたはずですが、図らずも今日、私一人で乗ることになってしまったので、せめて携帯電話で撮った写真を見せてあげようと思います。
この雁ノ巣、八代での2連戦は、移動の関係で試合後に練習時間が確保できなかった為、いくつか消化できなかった練習メニューがありました。明日の練習で取り返したいと思います。
今日は、福岡市にある雁ノ巣球場で、ウエスタンリーグのソフトバンク戦が行われ2対1で勝ちました。
私は、1対1の同点の8回に登板して、1イニングを3人で打ち取り、9回に味方が勝ち越した為、私に白星が付きました。
課題は、今日も力むことなく丁寧にいろいろな球種を投げて、打ち取ること。結果的には1球だけ力んだ球がありましたが、それ以外は低めへの意識も強かったですし、狙ったところに配球することができました。特に、左打者2人に対して、シュートを投げた後に、習得中の新しいスライダーで、連続空振り三振に仕留めることができたのは、収穫でした。打者の反応を見る限り、全くタイミングが合っていないので、変化の軌道が良くなっているのだと思います。これからも、この球を優先的に使い、完成度を高めていきたいと思います。
2軍に降格後、今日で10日が経ちました。今日のように少しずつでも前進して、昇格に向けてのアピールを続けたいと思います。
今日は、大野練習場で9時から2時間余りのやや短めの練習がありました。
投手陣の練習内容は、ストレッチ、アップ、キャッチボール、ノック、ロングラン(約20分)、体幹トレーニングといった感じで、私は、それ以外にブルペンでなく平地で捕手を座らせて、軽いピッチングを行いました。目的は、習得中の新しいスライダーのリリースポイントの確認です。まだ、成功率は6割から7割くらいですが、決まったときは、従来のそれより打者の近くで変化し、キレも増していると思うので打者にとっては見極めが難しい球になるはずです。今後も失敗を恐れずに試合でどんどんこの球を使い、自分のものにしていきます。
遠征と遠征の合間の、半ドンの練習。どうしても気が緩みがちですが、今日も、やるべきことに全力で取り組むことができました。それは、ルーキーの頃の苦い経験が教訓となっているからです。
若かった私は、まだまだ野球の恐さを知りませんでした。あの時も今日のような軽めの練習日で、やや体調が優れなかった私は、その日の練習を何を意識する訳でもなく、適当にやり過ごしました。恐らく、キャッチボールの質もとても低いものだったと思います。その時、私は1軍に帯同していて調子も良かったのですが、その日を境にボールの掛かりが悪くなり、一気に調子を落としてしまったことを覚えています。
いい加減な気持ちで取り組んでしまった、たった1度のキャッチボールで、私は投球フォームを微妙に狂わせてしまったのです。ピッチングがそれ程までに繊細なものだとは、当時の私は気付いていなかったようです。
さすがに、当時に比べたら投手としての経験を積み、フォームも固まってきた今では、そんなに簡単にフォームを崩さないかも知れませんが、以来、グランドに立つからには、絶対に気を抜いた練習はしないように心掛けています。
いい加減にやり過ごすくらいなら、やらないほうがずっと自分の為です。
他の投手に比べて、投手としてのキャリアが短い私は、こうやって毎日、気持ちを込めた練習を繰り返してその差を埋めていくしかありません。今、34歳ですがその気持ちは全く変わりません。これからも自分に足りないものを身につける努力を、地道に続けていきたいと考えています。
今日も、ナゴヤ球場でウエスタンリーグの中日戦が行われました。試合は、緊迫した投手戦となり結局1対1で引き分けました。
私は登板はありませんでしたが、ブルペンで軽めの投球練習をしました。状態は少しずつ上がってきているように思います。これからも1つ1つの練習、登板を大切にして、もっといい状態にしていきたいと思います。
この3日間のナゴヤ球場での試合で感じたのは、ファンの人達の熱心さでした。いいプレーには惜しみない拍手がありますし、ミスにはヤジも飛びます。それぞれの応援するチームに深い愛情を注ぐのと同時に、野球そのものを愛してることがよく伝わってくるいい雰囲気でした。
ファームの場合、ブルペンはほとんど野外に設置されているので、場内の雰囲気を肌で感じることができますが、その中でもナゴヤ球場は、観客席から非常に近いところにブルペンがあるので、ファンの方々の声をとてもよく拾うことができました。
昨日、私がマウンドに登ったときの、「広池!ブログ見てるぞー!」もなかなかパンチが効いていましたが、今日も、いくつか面白いのがあったので紹介します。
まずひとつ目は、ブルペンの前を通り掛かった白濱捕手(広陵高校出身)に対して。
「白濱!カープには今、広陵(出身)が1人しかいないのだから頑張れ!」
この声に、ブルペンで待機していた投手は一同爆笑。佐竹(広陵高校出身)の顔がどんどん赤くなってきました。完全に忘れられていましたね佐竹・・。選手にとって名前を間違えられたり、忘れられることは辛く、恥ずかしいことなので、次はよろしくお願いします!
次は、私がブルペンで投球練習を開始したときのこと。
「広池さん頑張って!飛行機は全日空しか乗ってないから!」
うーん。これはリアクションに困りましたね。もちろん私も全日空が大好きなので、嬉しいことなのですが・・。
最後は、相手が代打に前田選手を送ったときのこと。甘めの球を、バックネットへファールを打った直後に、1塁側中日ファンからこんな声が聞こえてきました。
「まえだ!まえだ!それは、うしろだ!」
これは、ツボに入りました。前もって準備していたといか思えない、絶妙のヤジ。文字だけではお伝えできませんが、その間合い、リズム感も絶品で、間違いなく、今日イチ(その日1番の良い出来のこと。選手やコーチがよく使います。)でした。
グランドにいると、観客席からの声は想像以上によく聞こえます。プロなので、ミスをしたときなどは、厳しくヤジられるのも当然ですが、それ以外のときは、選手も、お客さんもみんなが明るくなれるようなご声援をよろしくお願いします。